紺野邸では、トイレや洗面化粧台、バスルームとそれらをひとつなぎにした廊下をリフォーム。今回のリフォームの主役は、ご主人が趣味で作った鉄道模型です。トイレに付けたカウンターや廊下の壁をくり貫いたショーケース、大工職人手作りの棚など、模型を展示する場所が随所に設置されました。教職を定年まで勤め上げたご主人の夢は、いつか我が家を私設の電車博物館にすること。築40年の老朽化が進んだトイレのリフォームも「私の趣味や我が家に詰まった思い出を分かってくれる人に」と、業者探しに苦労したといいます。
そして出会ったのが三興の吉川 裕之 代表取締役社長。見積もりに呼んだつもりが、日暮れまで趣味の話に花が咲いた。紺野さんは、「吉川さんは工事の話そっちのけ。私の話を面白がってずっと聞いてくれた。こんな営業さんは初めて。」と笑う。実は、提案前にお客さんの話をじっくり聞くのが吉川さん流。その日、吉川さんは「僕が夢を叶えます。」と言って帰ったという。後日、趣味に寄り添う住空間を提案してくれた。模型をどこに飾ろうか。工事中も紺野さんと吉川さん、職人さんが現場でアイデアを出し合った。そうして出来上がった小さな「鉄道博物館」。夢に近づいた瞬間だった。
ご主人が心に描いていたのは、ホテルのようなトイレ。「暗く汚く、他の部屋から隔離された空間」といった昔のトイレのイメージが払拭できなければ、大切な電車は飾れません。そこで「将来何をどう飾っても、シンプルな美しさがそれを際立たせてくれる」と考えてネオレストを提案。空間は展示が映える白を基調とし、ギャラリーとしての使い勝手を随所に盛り込みました。「トイレの横で寝たいと思うほど気に入っています。」とご主人。 「きれいで機能的なだけでなく、トイレと思えない空間を見ているのが楽しい。だからいつも扉を開けている」と、満足げに語っていただけました。「人との良い出会いがよい結果を生むことを、改めて実感しました。」